退職代行は甘えなの？甘えと言われる原因や対処法

• 退職代行を利用したいけど、甘えなのかな・・・？
• 退職代行を使って辞めたら、周りの人から甘えるなと批判された
• 甘えていると思われたくないので、退職代行を利用できない

あなたの代わりに退職の意思を伝えてくれる退職代行サービス。
ムダなプレッシャーを感じない、手間要らず、さらには退職後の転職サポートもあると20代の若い世代を中心に注目を集めています。

一方で、「退職代行で辞めるなんて甘えだ！」「無責任だ！」など辛辣なご意見があることも確かです。

この記事では、退職代行は甘えなのか、なぜそう言われるのか、甘えではない理由、対処法について、解説していきます。

結論から言えば、あなたは会社を退職したい、その目的達成のために退職代行サービスという手段を使った（使う）だけ。周りがどうこう言おうと、関係ないのです。

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退職代行は甘えではない5つの理由

退職代行を利用にはさまざまな意見があることは確かですが、退職代行サービスを利用することは甘えではありません。
具体的に5つの理由から解説します。

退職代行は甘えではない理由 1. 社会人として筋を通した退職方法の一つにすぎない

日本国憲法 第22条第１項においてにおいて、職業選択の自由は保障されています。
民法 第627条では、雇用側にも労働者側にも雇用契約の解約が認められています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法 第六百二十七条

労働者は、退職する自由があるのです。
あなたは、法で認められた「退職」をするにすぎません。

その退職の申し入れを、自ら行うか、第三者に申し入れをしてもらうかの違いです。
いずれにしても、「退職の申し入れ」をするという筋の通ったやり方をして退職するのですから、甘えでもなんでもありません。

退職代行は甘えではない理由 2. 退職代行サービスは正当な手段、違法行為ではない

退職代行サービスは、あなたの要望を叶えるための正当な手段のひとつにすぎません。正しく利用すれば、違法行為ではありませんので、後ろめたさを感じる必要はなにひとつありません。

ただし、一般企業が提供する退職代行サービスでは、会社側と有給休暇取得や退職日の調整などの交渉はできません。できることは、利用者の代わりに退職の意思や、要望を伝えることだけです。一般企業が会社側と交渉することは、弁護士法違反となる非弁行為、つまり違法行為となりますので注意が必要です。

退職代行は甘えではない理由 3. 自分の力では退職できないこともある

自分の力ではどうしても退職できないこともあります。

どんな理由であれ、あなたは退職したいと思っている。
でも辞めさせてもらえない、言い出せない、一人で対処することは難しい。

そうであれば、第三者にサポートしてもらい退職していいのです。
自力で退職することが目標なわけでも正義なわけでもありません。
あなたの要望は、「退職する」ことなのですから。
退職代行サービスの利用は、あなたの願いを叶えるためのひとつの手段にすぎません。甘えでもなんでもないのです。

退職代行は甘えではない理由 4. 追い詰められると正常な判断ができない

肉体的疲労もそうですが、精神的に追い込まれた状況になると、冷静な判断ができなくなってしまうものです。
一人で抱え込まないで、第三者に相談してみてください。親友や家族など気心が知れているから相談しやすいこともあります。逆に、気心が知れているから相談しにくいこともあるのです。

真面目な人ほど、周りに気を使う人ほど、心身ともに追い詰められていきます。次第に辞めたいと思う感情さえなくなったり、環境を変える必要があるとの判断ができなくなったりします。その結果、体を壊したり、うつ病になるケースもすくなくありません。

自己完結するだけならまだ良い方で、精神的に追い詰められ、犯罪や傷害トラブルを起こしてしまう事例もあります。
≫過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで

退職代行サービスは、LINEやメール、電話で相談できます。顔を合わせる必要もありません。早朝深夜、休日でも対応している業者はたくさんあります。第三者の客観的な意見を聞き、アドバイスをもらうことで、冷静さを取り戻すこともできます。

それは、甘えでもなんでもないのです。
あなたの人生です。心身ともにボロボロになるまで、職場に忠義を尽くしたり、気を使う必要はないのです。

職場の上司からパワハラやモラハラを受けたことが要因でうつ病を発症したり、心身に異常をきたした場合、所定の手続きを行えば、労災認定を受けることができます。
≫労災補償の事例紹介(外部サイト)

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退職代行は甘えではない理由 5. あなたの人生はあなたのもの

あなたの人生はあなたのもの。
あなた自身のための決断に対し、第三者の批判に胸を痛める必要はないのです。

自らの手に追えないとき、誰かのサポートを利用することは、今後の人生でも何度もあります。
サポートを受け入れた自分の勇気を、自分の決断を、どうか肯定して、先に進んでください。

「退職代行は甘え」と言う古い考え方への対策

「退職代行を利用するなんて甘えだ」「退職は自分で言うもの」なんて、もう古い考え方です。

雇用側からすれば、ある日名も知らぬ業者から従業員の退職を告げられるわけですから、面白くないのはわかります。
でも、そこには、なんの規制もルールもありません。退職は自分で申し出なければならない義務はありません。

社会通念上、社会人のマナーとしては反するのかもしれませんが、理由があって退職する会社です。
必要な手続きを踏んで退職することはマナー違反ではありません。考え方の違い、価値観の違いと割り切った方がいいでしょう。

退職代行は甘えと感じさせる 上司や同僚の批判

退職代行サービスを利用して退職した人が職場や身近にいると、職場の上司や同僚の批判を耳にすることがあります。

• 退職代行を使って辞める人がいる（いた）らしいけど、ありえない
• 退職代行とか他人の力に頼らず、自分でやめろよな
• 自分で言えないから退職代行を頼るなんて、恥ずかしい

「退職は自分で伝えるべき」というニュアンスでしょうか。
退職されると上司や同僚に多少なりとも負担はかかります。退職代行サービスそのものの批判というよりも、退職されることによる負担への不満でもありますので、気にしないに限ります。

退職代行は甘えと感じさせる 親族の批判

退職代行サービスは若い世代での認知率は上がってきていますが、親世代だとそもそも知らないこともあります。
退職代行サービスの利用は違法行為ではありませんし、そもそも公表するものでもありません。

世間体を気にして批判されることもあるかもしれませんが、自力での退職であれ、退職代行サービスを利用しての退職であれ、退職しただけで批判される時は批判されますので、気にしない限ります。

退職代行は甘えと感じさせる 友人など身近な人の批判

何かの折に、友人などの身近な人が退職代行を批判するのを耳にすると、気が引けることもあるかもしれません。

置かれている状況は、人それぞれ異なります。
自分の苦しい状況は、経験している人しか分かりません。

友達から批判されたとしても、考え方や価値観の違いと受け流すに限ります。
逆に、身近な人がとても辛い職場環境に置かれている場合には、心の支えになってあげてください。

退職代行は甘えと感じさせる 新しいものへの嫌悪感

退職代行サービスが始まったのは2000年代ですが、社会的認知度が高まったのは2018年後半に、テレビで退職代行サービスが取り上げられてからです。終身雇用・年功序列が一般的な日本でも、転職者数が増加してきたことや、会社側の執拗な引き留めなどの労働問題も背景にあります。

現在では、退職代行サービスの利用は主に20代〜30代であるため、管理職クラスには抵抗感や嫌悪感もあるでしょう。
自分が若かった時にはなかったサービスを利用して、若者があっさり退職するのですから、仕方がありません。

だからといって、新しいサービスや新しい価値観を理解してもらうために、あなたが努力したり我慢する必要はありません。あなたは「退職したい」という要望を叶え、新しい人生を歩み始めていいのです。

退職代行を利用すべき3つのケース

未だ「甘え」との批判もある退職代行サービスですが、退職代行を積極的に利用した方が良いケースもあります。

退職代行を利用すべきケース 1. 自分の力だけでは退職できないとき

自分の力だけでは退職できないと感じたら、迷わず退職代行サービスに相談してみてください。

労働者は退職する自由も権利もあります。会社側には、それを拒否する権利はありません。

そうはいっても、自力ではどうにもならないこともあります。そんな時には、第三者のサポートに頼っていいのです。

退職代行を利用すべきケース 2. 身体からSOSが発せられているとき

身体からのSOSを感じたら、迷わず退職代行サービスに相談してみてください。

あなたの体が苦しいと発信している信号をどうか無視しないでください。
円形脱毛症、帯状疱疹、胃潰瘍、うつ病、、、そうなる前に、一歩踏み出してサポートを探してみてください。

退職代行を利用すべきケース 3. 法的なトラブルに巻き込まれたとき

法的なトラブルに巻き込まれたら、迷わず退職代行サービスに相談してみてください。

上記以外にも、退職に際して法的なトラブルに発展しそうな場合には、積極的に退職代行の利用を検討しましょう。
特に訴訟に発展しそうな重大なものは、弁護士事務所が運営している退職代行に相談するのがおすすめです。

退職代行を甘えだと思う心の対処法

「退職代行サービスを利用するのは甘えだ」と、それでも後ろめたさを感じることもあるかもしれません。
そんなときの対処法です。

退職代行を甘えだと思う心の対処法 1. 退職は労働者の権利

上述の通り、労働者には退職する自由も権利もあります。退職を申し出たら2週間後の退職は民法で認められています。

その退職の申し入れを、自ら行うか、第三者に申し入れをしてもらうかの違いでしかありません。
バックレることなく、会社に退職を申し入れているわけですから、社会人として正当な手続きを踏んでいます。
スッキリ割り切って退職しましょう。

退職代行を甘えだと思う心の対処法 2. 退職代行サービスは一種の外注

退職代行サービスは正しく利用すれば、違法行為ではありません。

あなたが、退職代行サービスを利用したとしても、社会的に責めを負うものではないのです。

旅行代理店にお金を払うことで、あなたの代わりに旅行を手配してもらうように、
クリーニング代を支払って、あなたの代わりにスーツやコートをクリーニングしてもらうように、
ウーバーイーツに支払って、食事を取りに行く代わりに届けてもらうように、、

あなたは、退職代行サービスにサービス料を支払って、あなたの代わりに退職の申し入れや、退職に伴う交渉をしてもらっているだけなのです。外注サービスの一つと割り切りましょう。

退職代行を甘えだと思う心の対処法 2. 引継ぎや退職手続きは遅滞なく対応

退職代行サービスを利用して退職する場合、批判の対象に上がるのは「引き継ぎをしない」「退職の手続きをしない」ことがあります。

自力で退職する時を同じように、対面で引き継ぎ業務をする必要はありませんが、引継ぎ資料を丁寧に作成する、会社への提出や返還は遅滞なく行うなどすれば、不要な批判をあびる可能性も激減し、後ろめたさを感じる必要もありません。

逆に、引継ぎ資料もまともに作らない、貸与品の返還や必要物の提出をしない、私物を残置しっぱなし、、などで批判された場合には、本人側にも責任があることは忘れないようにしましょう。

体調不良でどうしようもない場合は、会社や退職代行業者に相談しましょう。

退職代行を甘えだと思う心の対処法 4. 退職代行サービスの利用は公表不要

退職代行サービスを利用したことを公表する必要は一切ありません。

自ら公表しなければ、基本的に転職先や家族、友人などにバレることもありません。
退職した事実だけを伝えればいいのです。公表する義務も責任もないのですから、周りからの批判や、甘えかもといった後ろめたさを感じる必要さえないのです。

2005年の個人情報保護法の全面施行以降、前職調査を実施する企業が大幅に減少しています。
現在、おもに実施している業界は、警備業や金融業、外資系企業などですが、職種によっても異なります。

• 転職先が退職した会社と付き合いがある、近隣の同業者などの場合は噂が広がることもあります
• 会社側は事実確認などで実家などに連絡するとバレることもあります

退職代行を甘えだと思う心の対処法 5. 何よりも大切なのはあなた自身

あなたの要望は「退職する」こと。
理由はなんであれ、退職することを望み、その要望を叶えるための手段として退職代行サービスの利用を決断したのです。

あなたは、あなたの自身のために決断したことを、あなた自身が否定しないでください。
あなた自身のための決断に対し、第三者の批判に胸を痛める必要はないのです。

自らの手に追えないとき、誰かのサポートを利用することは、今後の人生でも何度もあります。
サポートを受け入れた自分の勇気を、自分の決断を、どうか肯定して、先に進んでください。

まとめ：退職代行は甘えではなく、自分を守る正当な手段

この記事では、「退職代行が甘えなのか」ということについて、多面的に解説してきました。
これまでを振り返って、以下にまとめとします。

退職代行サービスは、世間的に認知の浅い新しいサービスであるため、利用するのは気が引けるという意見も少なくありませんが、他人に否定されたり批判されるほどのものでもありません。

あなたは、あなた自身のために、必要な選択をしてください。
どうしても、周りの批判や気になるのであれば、退職代行サービスを使わない別な解決法を探せばいいのです。

なによりも大切なのは、あなた自身です。
どうか、他人の批判に胸を痛めることなく、あなたのよりよい毎日のための決断をなされることを願っています。

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