【命に関わりたくない】看護師でも命に関わらない仕事10選

特徴1. 患者さんが急変しない

命と関わらない仕事の特徴は、患者さんが急変しないことが挙げられます。

• 重症度が高くない。
• 症状が安定している。
• 患者さんの体力がある。

そもそも、重症度が高くない患者さんは急変することがほとんどありません。中には、アレルギー疾患といった別の重篤な要因が隠れているケースもありますが、患者さんご自身またはご家族の方があらかじめ把握していることがほとんどです。情報伝達にヌケモレがなければ、リスクと感じることは少ないでしょう。

症状が安定している患者さんや体力がある患者さんも急変リスクは少ないです。病歴が長くても症状が快方に向かっていたり、安定していたりすれば、そこまで神経を尖らせずに済みますし、基礎体力がある患者さんもいきなり急変することがなく、看護する側としても安心して対応できますね。

特徴2. ミスをするほど業務がひっ迫していない(忙しくない)

命と関わらない仕事の特徴は、ミスをするほど業務がひっ迫していないことが挙げられます。

• 投薬・服薬管理が難しくない。
• 受け持ち数が多くない。
• 管理体制が整っている。

人間は誰しもがミスをしてしまう生き物で、看護師も例外ではありません。ときにニュースに取り上げられることもありますが、患者さんへの投薬・服薬の取り違え、酸素濃度の設定ミスなどなど、数えればキリがありませんが大なり小なりミスしてしまいます。特に相性の悪いパートナーと受け持ち数が多いときの夜勤ほど、やってしまいがち。

とはいえ、ミスをしてしまうほど業務がひっ迫していなければ、そもそもミスを起こしてしまうこともなくなります。加えて、ミスをしないための管理体制が整っている職場であれば、二重三重のチェックでミスを起こしにくく、メンタルを病むことなく働けますよね。

特徴3. 担当業務の責任が重くない

命と関わらない仕事の特徴は、担当業務の責任が重くないことが挙げられます。

• 問診やカンファレンス調整のみ。
• 基本的なVS測定・採血がほとんど。
• 患者さんと関わらず、調整や伝達がメイン。

前述した『患者さんが急変しないこと』や『業務がひっ迫していないこと』が前提にありますが、看護師のルーティンワークで対応できる業務は、命と直結することがほとんどありません。投薬量調整の判断が難しいものは、医師の指示書に基づくものや看護師ひとりの判断に依存しないものであれば、「担当業務の責任が重たい」と怖くなることも少ないでしょう。

職場の担当業務にもよりますが、そもそも患者さんと対面する機会の少ない場所もあります。カンファレンスの調整や担当部署や外部機関との連携がメインとなる仕事は、最前線で患者さんと向き合うよりも命と関わらずに済む仕事といえるでしょう。

命に関わらない職場1. 回リハ病棟(回復期リハビリテーション)

回復期リハビリテーション病棟は、大きな事故やケガをされた患者さんが元の生活に戻るリハビリをするための病棟です。おもな仕事内容は、慢性期病棟と同様に患者さんの基本的な看護がメイン。入院されている患者さんは、長期的な入院となるため、しっかりと患者さんと向き合いながらのんびり働きたい方におすすめの働き方です。

ただし、一定水準以上のアセスメント力やコミュニケーション能力がないと変化に乏しく退屈な仕事になりかねません。作業療法士や理学療法士との連携も必要になるため、病院内の人間関係が良好なものかをあらかじめ確認しておくことが必要といえるでしょう。

命に関わらない職場2. 検診・採血室

検診・採血室は、院内に入院されている患者さんの心電図や採血などの検査を行う場所です。おもな業務内容は、各種計測機で計測や採血などがメインとなり、基本的な看護スキルを習得していれば問題ありません。病院によって、分業制・受持制の違いはあるものの、担当業務が重たくならずに働けるおすすめの職場です。

ただし、検診・採血室の看護師枠は比較的狭くなりがち。空きができてもすぐに埋まってしまうことも多く、タイミングが重要です。院内で異動願いを出すか、外部の病院に転職する場合は、常日頃から求人情報をチェックしておく必要があります。

命に関わらない職場3. 地域医療連携室

地域医療連携室は、基本的に大病院に入院された患者さんが退院後の生活に困らないように入院時から退院調整に関わる職場です。おもな業務内容は、患者さんのヒアリングと退院前カンファレンスの説明や調整がメイン。退院調整が業務の中心となるため、基本的に医療現場などに立ち会うことはありません。

ただし、退院調整看護師に資格は不要なため、退院支援看護師育成プログラムなどの研修を経た一般職からあてがわれることもあり、外部求人として募集がかけられていることが少なく、内部の人事異動で済ませて済ませてしまうことがほとんど。転職エージェントに募集がかけられる際は、非公開求人として募集案件が流されるため、定期的に求人情報をチェックしておくことが必要です。

命に関わらない職場4. 精神科・心療内科

精神科(心療内科)は、看護業務がほとんどなく、ダントツに働きやすい診療科です。おもな業務内容は、点滴や採血、機械検査などありますが、医師が自分で済ませてしまうことが多く、業務のほとんどが受付業務や事務作業中心。患者さんへの影響も考慮し、勤務中は基本的に私語禁止なので、無口な人や事務処理だけしたい人におすすめの診療科の一つです。

ただし、来院される患者さんの多くは、うつ病や統合失調症をはじめとする心や脳の病気や不安を抱えている方がほとんど。急性期病棟では、希死念慮に駆られるなどで突然、不穏になる患者さんや暴れ出す患者さんもいるため、転職前に転職サイトなどで入院施設の有無や規模をチェックしておく必要があります。

命に関わらない職場5. 院内治験コーディネーター

院内治験コーディネーターは、外部から要請された治験を受け入れ調整する役割を担う職場です。おもな業務内容は、外部から委託された治験内容に合致した患者さんの同意書にサインを貰ったり、研究職や患者さんのヒアリングが中心となります。命と関わりたくないけど、医療の現場に携わりたい人におすすめの働き方といえるでしょう。

ただし、うまく患者さんの同意が得られなかったり、治験数が揃わなかったりすると外部圧力が加わることもあり、気苦労が絶えないことも…。ひとえに治験コーディネーターとして募集がかけられていても、製薬会社側なのか病院側なのかによって扱われ方に雲泥の差が生じることもあるため、事前に求人内容をしっかりとチェックしておくことが必要といえるでしょう。

命に関わらない仕事6. 美容クリニック

美容クリニックは、おもに美容外科と美容皮膚科の2つがあり、プチ整形やシミ・シワ取りなどの医療美容がメジャーになり、若い人から壮年代まで幅広い人気を集めています。おもな業務内容は、来院されるお客様の予約管理や応対・施術補助がほとんど。人気の美容クリニックほど多忙なイメージはありますが、基本的に予約制のため時間に余裕をもって働くことができます。

ただし、来院される対象者は患者さんではなく悩みを抱えたお客様。相手への伝わり方がまずかったりすると大きなクレームに発展することもあるため、相手からどう見えるか？を意識した言動や立ち居振る舞いに日頃から鍛錬が求められることも…。業務内容に対して収入面は魅力的なため、転職前に勤務先の業務内容はしっかりとチェックしておく必要があります。

命に関わらない仕事7. 企業看護師

企業看護師(産業看護師)は、医療機関とは異なる企業に務めるため、一般的な看護スキルや医療スキルは要求されませんが看護師としての資格や知見が求められる仕事です。おもな業務内容は、一般企業の医務室で健康診断や保健指導を行うものから、製薬会社の治験コーディネーターとして働くなどさまざま。看護業務に疲れてしまったけど、看護師としての知見を活かしたい人におすすめの働き方です。

ただし、看護師として働いていたときと異なり、書類作成などの事務スキルは必須。ときに営業スキルやプレゼンテーション能力も求められることがあるため、そもそも企業勤めが合わない恐れもあります。看護師業界から一歩踏み出すには、客観的なアドバイザーとして転職エージェントの力を借り、看護師以外の面の適性や自己分析が必要といえるでしょう。

命に関わらない仕事8. 保育園看護師

保育園は、0歳～小学校入学前までの幼児を養育する施設のため、高い医療スキルは要求されません。おもな業務は、幼児および職員の健康管理や園内の衛生管理がほとんど。保育園によっては、認可・認可外の違いはあるものの、小児科病棟にいた人や子供好きな人におすすめの施設です。

ただし、保育園看護師は施設に1人しかいないことがほとんど。つまり、自分ひとりで園内の保健業務や衛生管理をする必要があるので、主体的に動けないと厳しいことも…。コロナを理由に突如として保育園が閉園するリスクやクラスター発生などにより自宅待機を迫られることがあるため、転職前に保育園の評判などを予め確認しておく必要があります。

命に関わらない仕事9. コールセンター

コールセンターは、企業や製薬会社などに勤務し、健康相談や問合せしてきた方にアドバイスなどを行うものです。おもな業務は、電話応対がほとんど。勤務先の対応業務によって、対応内容や相談内容は異なりますが、介助や看護業務に疲れたけど、看護師の知見を活かしたい人におすすめの働き方です。

ただし、コールセンターの求人の多くはコロナ関係の内容が大半。切羽詰まって電話してきた方に暴言をはかれたりすることもあるため、人の言葉を真に受けやすい人や傷つきやすい人は不向き。出勤が不要でリモートワークもできる職場もあり、業務内容に対して収入面は魅力的なため、転職前に勤務先の業務内容はしっかりとチェックしておく必要があります。

命に関わらない仕事10. 看護師教員

看護師教員は、看護学校の教員でいわば、ナースのタマゴを育てるとても有意義な仕事です。おもな業務内容は、担当領域によって異なりますが、看護学生の学業支援がメイン。看護師を目指す学生に対して、『看護師の価値観』や『看護師の楽しさ』を教えることが中心となるため、看護スキルに自信がなくても教えることが好き・伝えることが好きな人におすすめな仕事です。

ただし、看護師教員は教員免許が不要な反面、臨床経験が5年以上必要な場合も多く、求人件数も少なめ。女の世界に身をおくことになるので、思っている以上にプライベートが侵食されるなどの大変なことも…。入念な情報収集と職場見学が可能であれば、積極的に職場見学に伺うなどの能動的な情報収集が必要といえるでしょう。

メリット1. とにかく精神的負担が軽い

命と関わらない仕事で働くメリットは、精神的負担が軽くなること。

• 急変する患者さんにメンタルを病まなくなる。
• 眼の前の業務に対して、主体的に取り組める。
• 心配事が減り、毎日が楽しく感じられる。

急性期病棟や高度急性期病棟にいた頃と比べてもとにかく精神的負担が軽くなり、「看護師の仕事ってこんなに楽しかったっけ？」と感じるほどに毎日が充実するようになりました。

普段の業務においても小さなことにとらわれることや誰かにやらされてる感を感じることが少なくなり、納得感を持って仕事に臨めるようになったのは、命と関わらない仕事についたことで得られらたメリットの一つといえます。

下記の記事で精神的負担が軽く、ゆるく働きたい看護師におすすめの仕事について解説しています。気になる方は、あわせて参考にしてみてください。
≫【ゆるく働ける職場10選】ゆるく働きたい看護師の最適な仕事を解説

メリット2. 身体に疲労が溜まりにくくなる

命と関わらない仕事で働くメリットは、身体に疲労が溜まりにくくなること。

• 退勤後も遊びや趣味の時間を確保できる。
• 翌朝、身体が重たいと感じることが少なくなった。
• プライベートが充実するようになり、毎日が楽しく感じられる。

以前までは毎日、睡眠時間を確保するのにとにかく必死でした。起きてからも前日の疲れが抜けてないと感じることも多く、ダル重い感じでしたが、命と関わらない仕事についたことで、身体に疲労が溜まりにくくなったと感じています。

個人的な主観になってしまいますが、なんとか生かされている自分から『看護師として生きるのが楽しい自分』になれたのもメリットの一つといえます。

下記の記事で体力的負担が軽く、のんびり働きたい看護師におすすめの仕事について解説しています。気になる方は、あわせて参考にしてみてください。
≫【2022年最新版：のんびり働きたい】看護師がのんびり働けるオススメの仕事10選

メリット3. 自分に人に優しくなれる

命と関わらない仕事で働くメリットは、自分に人に優しくなれること。

• 他の看護師の言動や嫌味が気にならなくなる。
• 自分自身に対して、思い詰めることがなくなる。
• 自分自身や他人に対して、寛容になれる。

急性期病棟や高度急性期病棟にいた頃は、常に余裕がなく切羽詰まった状態でしたが、当時を知っている同僚たちからも「みちるん、変わったよね」と口を揃えて言われるほど。(私自身の未熟さもありますが…苦笑)

私自身が感じていることは、ため息をつくことが明らかになくなったのと小さなことにイライラすることがなくなったこと。同じように毎日、切羽詰まっている人ほど変化を実感できるメリットの一つと言えます。

デメリット1. 転職直後は年収が下がる

どんな職業でも同じことが言えますが、転職直後は年収が下がることがほとんどです。

• 役職手当がつかなくなる
• 夜勤手当がつかなくなる
• 危険手当がつかなくなる

特に命に関わらない仕事に転職すると夜勤や医療行為がほぼない職場になることがほとんどなので、必然的に夜勤手当や危険手当がつかなくなり、給料がめちゃくちゃ安くなったと感じることも…。

とはいえ、エージェント型の転職サイトを利用し、しっかりと条件を絞り込み、給与交渉までしてもらった上で転職すると転職前後で極端に年収が下がるといったことも少なくなります。給料が安くなるのは致し方ないと諦めずに使えるカードはしっかりと使い切った上で有利に転職活動を進めると年収が下がる可能性を低く抑え、デメリットと感じられることも少なくなるといえるでしょう。

デメリット2. 業務が退屈に感じられる

命に関わらない仕事に転職すると業務が退屈に感じられることがあります。

• 急性期病棟から回リハ病棟に転職
• ICUから採血室に転職
• 幼児高度集中医療室から保育園

命と直面する職場で毎日を慌ただしく過ごしていた人からすると緊張感や業務量から解放され、ストレスが無くなるのと同時にやりがいがなく変化に乏しいと退屈に感じがちになります。しかし看護師の仕事は、直接的や間接的問わず、大小さまざまな命や健康に携わる重要な仕事です。

新たな環境を受け入れ、その場所でしかできない看護の形を追求していくのも一つの手ですし、ステップアップとして自分のやりたいこと挑戦してみたいことを実現できるチャンスと捉えることができれば、退屈に感じることもなくなり、今しかできないことに挑戦できると前向きな気持になれるでしょう。

デメリット3. 看護師スキルの向上が望めない

命に関わらない仕事に転職すると看護師スキルの向上が望めないことがあります。

• 基本的な採血や応急救護
• 専門領域のBLSやACLS
• 専門看護師や認定看護師

医療現場から遠のくと看護師としてのスキルや勘が鈍ってしまうことは否めません。そもそも命と関わりたくないから、命と関わらないで済む仕事に転職したとなれば、ある程度のことは仕方ないと割り切る潔さも必要です。

とはいえ、命に直面する医療現場でバチバチに苦労するのは嫌だけど、でもせっかく苦労して身につけた知見までは失いたくない人は、セミナーや通信教育などで自主的に学ぶ方法がおすすめです。実地スキルまでは身につかないけど、最低限の専門知識や看護師の医療知識を維持したい方にも座学での学習は、一人でもできるオススメの方法の一つと言えるでしょう。
≫日本看護師協会研修ポータルサイト

注意点1. 看護師転職サイトを利用する

転職経験がない看護師の方は「なんでわざわざ転職サイトを利用するの？」と疑問に持たれることが少なくありません。しかし、一般的な会社員と比べてみても看護師は圧倒的に忙しく、時間がありません。時間に余裕がない中、闇雲に転職活動を続けていても良い職場と巡り合うことはできませんし、好条件で入職できる保証はないのです。

• 履歴書などの添削
• 条件交渉(給与交渉)
• 面接対策

看護師転職サイトの場合、専属の担当者が付き、あなたが希望する職種や転職先に転職活動が有利に進むように取り計らってくれます。色々とかゆいところまでサポートしてくれるのに全部無料で使えます。有利な条件で転職しようと思ったら、使わない手はありませんね。

注意点2. 業務内容をしっかりとチェックする

転職する際に注意する点は、転職先の業務内容をしっかりとチェックしておくことが必要です。

• 異動がある大規模病院
• 人手が少ない施設系
• 担当領域が広い職場

一見すると好条件に見える求人情報もよくよく見ると「担当業務以外の業務が含まれている」、「希望職種の募集ではなく別職種の募集」といったことがよくあります。実際に転職してみたら「最初は○○を担当して」と事前に聞いていた話と違っていたなんてことも…。一方で給料だけに固執していたら、全く興味のわかない業務ばかりだったなんてこともよくある失敗談として挙げられます。

求人情報だけでは分からない部分や実態については、転職エージェントを活用して「話と違う」などといったミスマッチが起こらないように自分自身でも対策を講じておくことが重要です。

注意点3. 可能であれば、職場見学をしてみる

転職する際に注意する点は、可能であれば職場見学をしてみることが必要です。

• 求人情報だけでは分からない実態
• 他の看護師の働き方や人間関係
• 通勤ルートや受入れ患者さんなど

「給料も申し分ない、職場も良さそう、でも通勤がめちゃくちゃ不便だった…。」なんてことも地方ではよくあります。一方で都心部では、「給料も通勤もめちゃくちゃ好条件、でも病院から出てくる看護師さんはみんな死にそうな顔してる…。」なんてことも…。

求人情報だけでは分からない実態は、実際に職場を訪問してみないと分からないことがほとんど。転職エージェントの中には、職場の実態や内部情報を教えてくれるところもありますが、自分が重要視しているポイントは自分でしか分かりません。担当者に依頼して職場見学をセッティングしてもらったり、自分自身で覆面調査してみたりと積極的に『自分の転職先は自分で決める』と能動的に取り組むことが必要といえるでしょう。