【いじめ仕返し】看護師いじめに仕返し！あなたの手を汚さない3手順

確実にいじめの仕返しをする場合は、なんといってもまずは仕返しに必要ないじめの証拠を集めましょう。

• 会話内容をボイスレコーダーで録音する。
• 荒らされたロッカーや私物を画像に保存する。
• 日記やメモ帳に会話内容やされたことを列記する。

看護師が受けるいじめは言語によるものが多いです。

中にはロッカーを荒らしたり、私物を隠すようなこともありますが、いじめる側もストレス発散目的が多いため、警察沙汰になるような方法は避けるものです。

言葉によるいじめには、ボイスレコーダーで録音する方法で証拠を集めるのがおすすめです。Amazonなどで、持ち運びに便利な小型のボイスレコーダーやペン型のボイスレコーダーなど、外見からバレないものを入手しておきましょう。

 就業規則によって職場内の録音や録画が禁じられている病院もあります。あらかじめ就業規則を確認しておきましょう。就業規則で禁止されているにも関わらずに職場内を録音・録画したとして解雇された事例もあるため、この確認は怠ってはいけません。(T＆Dリース事件 大阪地判H21.2.26)

就業規則で職場内の録音・録画が禁じられている場合や、就業規則がわからない場合には、日記やメモ帳に勤務中に受けたいじめの内容を客観的かつ詳細に明記しておきましょう。ボイスレコーダーよりも証拠としての実用度は低くなりますが、1ヶ月分程度(20勤務)のいじめの証拠が蓄積していれば、証拠としての役目は充分に果たせます。

録音が問題ない場合でも、ボイスレコーダーでの録音とメモ帳などに列記の同時並行で記録を残すことをおすすめします。ボイスレコーダーであれば半月分(10勤務)、メモ帳などであれば1ヶ月分(20勤務)程度の証拠が集められれば、問題ありません。

あらかた証拠が集められたら、時系列にまとめて提出できるようにしておきましょう。

• 集めた証拠のコピーをとる
• 証拠を時系列にまとめる
• USBやSDカードにまとめて保存

証拠を然るべき場所に提出する前に、集めた証拠のコピーを取り、手元に原本かコピーを残しておきましょう。万が一、紛失やもみ消しがあっても、コピーがあれば復元可能です。

ボイスレコーダーや画像・メモ帳などの集めた証拠を古い順からまとめていき、「いつ・どんな状況で・誰に・いじめを受けたのか？」を明確な記録にしましょう。

例えば、「○○年○月頃からいじめと思わしき兆候が見られたため、○月○日から音声や記録による証拠を集め始めした」と発端となる時期を明確にし、「証拠を集めだした○月○日～○月○日までの出勤において、○回△△さんからいじめを受けました」という感じで、まとめてみましょう。

証拠が集め終わり、時系列にまとめきれたら、然るべきところに相談しましょう。主な効果的相談先は以下の3ヶ所です。

• 師長よりも上の役職者
• 所轄の労働局
• 社労士または弁護士

相談する際には、「職場内で相談せず、外側の人間に相談」するのが基本です。

例えば、師長や主任などの上長に相談しても「あなたも悪いところがあるんじゃないのぉ～？」と受け付けてもらえなかったり、「異動すれば？」といじめた側を庇うなどで、話が前に進まない可能性もあります。そのため、師長や主任などの上長よりも上の役職者の方がいいのです。

それでも改善しない場合には、所轄の労働局に相談しましょう。

労働局は各都道府県に設置され、労働基準監督署よりも上位の役所で、労基署でも対応してくれない労働トラブルに対応してくれます。ただし、病院側と話し合いをするためのお手伝い的な位置づけなので、絶対に許さない！という人は、社労士または弁護士に相談するのがおすすめです。

社労士または弁護士に相談したくても、「なるべくお金を使いたくない」、「お金を自由に使えない状況」である場合には、まずは法テラスや社労士会に相談してみてから判断すると良いでしょう。

法テラス：0570-078374
社労士会：0570-07-4864

相談先を決める際には、以下の判断基準も参考にしてみてください。

病院や医療機関は、「臭いものには蓋をする」という組織慣性力が強い職場であることを念頭に置いて行動することをおすすめします。

2020年にパワハラ防止法が改正・施行以降、徐々に風通しが良くなる見通しですが、現実的に職場いじめがなくなることはないでしょう。自分自身が「どうしたいのか？」を明確にし、自分ができる最善の策を講じていきましょう。

相談すべきでない人1. プリセプター

一番相談してもほぼ無駄なのが、プリセプター(教育係)です。

プリセプター自身が、教育係という立場を利用して普段のストレスのはけ口に新人看護師をいじめるのが通過儀礼な病院もあるほどです。そのような悪習慣のある職場であれば、別のプリセプターに相談しても、解決できる見込みはほぼないと思った方がいいでしょう。

いじめる側がプリセプターではない場合でも、そこまでの面倒を見てくれるケースはまずないと思った方がいいでしょう。

もし、看護部長や師長に相談しようとしても「イマイチ相手にされない」場合は、プリセプター経由で相談するのも一つの手ですが、あまり期待しない方が無難です。

相談すべきでない人2. 主任や先輩看護師

上司のような存在である主任ナースや先輩看護師も相談するだけほぼムダです。

いじめる相手にもよりますが、派閥争いに負けて別部署に異動する先輩看護師を見送るか、「わたしには手に負えない」と初めから何もしてくれないかの二択になります。プリセプターと同様、新人看護師時代にいじめられていた看護師は、もれなく新人看護師をいじめるといった体育会系のシゴキ的なノリでいじめてくる人もいるほど。

もし頼れる神のような主任看護師や先輩看護師がいる職場であれば、主任・先輩経由で上層部に掛け合ってもらうのも一つの手といえるでしょう。ただし、プリセプターと同様に過度な期待は禁物です。

相談すべきでない人3. 師長(部長などがいる場合)

プリセプター以外に真っ先に職場いじめをしてくるのが師長です。

特に師長の上に部長や病棟長といった役職者が存在する場合、上層部からの圧力や評価を気にして「いじめの相談」を持ちかけてももみ消されるかいじめてくる相手をかばうかの二択なケースがほとんどです。特に人格が崩壊している師長の場合、ストレスのはけ口に新人・中堅問わず、いじめの標的を探していることが多く、一緒になっていじめてくることも…。

師長の上に事務局しかない場合は、師長の人間性をよくよく判断した上で相談するか否かを判断することをおすすめします。中には圧倒的な権力と仏のような人格を持ち合わせた神師長もわずかながら存在するので、師長の人間性次第といえるでしょう。

相談すべきでない人4. パワハラ対策委員会

昨今、さまざまな病院で設けられているパワハラ対策委員会は、相談するだけムダな相手です。

• 師長のお気に入り
• 上層部のお気に入り
• 名ばかりのお茶引き委員会

上層部や師長のお気に入りたちで固められたパワハラ対策委員会は、面倒な人材の逆ドラフト会議と化していることが多く、いじめの相談をしようものなら、情報だけが中抜されていじめてくる看護師に軽い注意喚起で済ませることがほとんどです。

パワハラ対策委員会に相談しても病院にとって不都合な事実をもみけす方向に対策されるだけなので、相談するだけムダです。中には看護研究や論文発表のために活動してる病院もありますが研究材料にされるだけで根本解決には至りません。いずれにしても相談するだけムダといえるでしょう。

相談すべきでない人5. 転職エージェント

看護師転職サイトの中には、「転職サイトのエージェントに相談すれば解決してくれる」と謳っているサイトもありますが、基本的に解決してくれません。

• そもそも担当者に解決権限がない
• クライアントに契約を切られる不安
• 面倒な相談案件で腰が重たくなる

転職エージェントもお客様商売です。転職者を別の病院に転職させればOKなので、現在の職場でいじめに遭っているかどうか関与しません。むしろ、「いじめなんかなく、人間関係の良好な職場です」と担当している案件を紹介してくれるのが関の山。中には、「いじめを受けているのだから、能力的に問題があるのかも…」と懸念材料と受け取るコンサルタントもいるほどです。

そもそも転職エージェントには、人事権限も弁護士のような代理権限もありません。他のサイトで「転職エージェントに相談して・・・」などといった情報は、1ミリも好転する可能性がないので鵜呑みにしないほうが無難です。

NGパターン1. 仕事で見返す

やっても効果の薄いいじめの仕返し方法は、仕事で見返すこと。例えば、以下のように仕事で見返そうと頑張る人がよく見かけます。

• 文句を言われないように行動で示す。
• 社内政治で相手よりも高い役職に就く。
• 相手のミスをカバーし、その旨を周知する。

「アイツよりも高い役職に就いてグウの音も言わせない」、「あっ○○さん(いじめてくる相手)、あなたのミスをカバーしておきましたよ」などとデキる看護師を目指して頑張ることは悪いことではありません。ただし、目的が果たされるのは何年後でしょうか？もしかしたら相手が先に別の職場に転職していることも十分に考えられます。

一方で勘違い甚だしい看護師だった場合「わたしの指導で改善された」などとあなたの頑張りを根こそぎ横取りしてくることも…。仕事で相手を見返してやることは建設的かつ誰も傷つけない方法ではありますが、あまりに時間がかかりすぎて現実的ではありません。そもそも、相手より上位に出世できるくらい評価される仕事ができるくらいならいじめられていませんよね。

NGパターン2. 患者さんを巻き込む

新人看護師などがやってしまいがちな仕返し方法として、患者さんを巻き込んだ仕返しがあります。

• 相手の受持ち患者さんの滴下量を調整する。
• 処置を間違えるように誤情報を伝達する。
• 相手が処置でミスするように細工をする。

メンタルを病んでしまった新人看護師などが本当に一線を踏み越えてやってしまいがちな仕返し方法ですが、絶対にやってはいけません。

理由はどうあれ、看護師としての人生はおしまいですし、患者さんの生命を脅かしかねません。病院内でもみ消されるくらいならまだマシな方で時には刑事事件に発展することもあります。報道規制によって医療事故と称されますが、現実的に医療事故は「恣意的な何か」が含まれていなければ、そう頻繁に起こることではありません。
参考：医療事故情報収集等事業

もし、いじめてくる相手への仕返しとして受持ち患者さんに何らかの手を加えようと考えているなら、よくよく考えてください。そして、別の方法でも仕返しは充分にできます。いじめてくる相手と無関係の第三者を巻き込むことだけは絶対に避けましょう。

NGパターン3. 相手に直接仕返す

患者さんを巻き込む仕返し方法以外によく取られる仕返し方法が相手に直接仕返すといったもの。反論してもやり込められるだけなので、影に隠れて相手のいないところで仕返す方法です。

• 相手の飲み物に利尿剤や下剤を混ぜる。
• 相手の私物を隠すまたは捨てる。
• 相手のロッカーを荒らしたり汚したりする。

患者さんを巻き込む方法と同様に相手の飲み物に利尿剤や下剤を混ぜる行為は、仮に成功したとしても薬事法違反となります。「ちょっとやり返すつもりで…」などといった言い訳は通用しませんし、看護師免許剥奪ものです。相手の私物を隠す行為やロッカーを荒らす行為も不法行為や盗難といった刑法に抵触する行為です。

自分の人生を棒に振ってまで自分の手を汚しつつ、相手に仕返すことほど愚かなことはありません。いじめてくる相手に仕返しをすることは否定しませんが、わざわざ自分の手を汚さずとも別の方法でも仕返しはできます。相手もろとも道連れにする覚悟がなければ、別の方法を検討しましょう。

NGパターン4. 退職時に暴露する

仕返しがしたい、でもできない人が苦し紛れにとる仕返し方法として、退職時にいじめの事実を暴露してから辞めるといったもの。

• 退職にメールで暴露する。
• 職場にビラなどで暴露する。
• 大勢の前で暴露する。

在職中にいじめの仕返しができない人ほど、退職時にいじめの事実を公表したり暴露したりしてから辞めていきますが、「してやったり」と思っているのは実は本人だけです。コンプライアンスが厳しめな病院を除いては、大抵が口頭注意で済んでしまいます。

一方でいじめの事実を暴露された職場では、「面と向かって言えない負け犬」などとボロクソに嘲笑されておしまいです。したがって、本人がそれで満足であれば問題ありませんが、いじめの仕返しとしては相手に大きなダメージを与えられません。ただ職場の雰囲気を悪くし自分の評価までも下げてしまうだけなので、効果的な仕返しとはいえないでしょう。

NGパターン5. SNSで暴露する

ここ数年、増えてきた仕返し方法として、SNSで暴露して仕返しをするといったものが挙げられますが、以下の理由からおすすめしません。

• 機密を一部暴露することになり、守秘義務に反する。
• 相手の個人プライバシーを侵害することになる。
• 悪質なものは鍵垢でも情報開示請求などで特定される。

一時期、バイトテロなどと称して飲食店などの従業員が不適切な行為をする様子をインスタグラムのストーリーという24時間経てば消去される機能で投稿していましたが、24時間が経つ前にさまざまな方面で拡散され、各方面で波紋を呼びました。(参考：“バイトテロ”再び　8年で変質した炎上の背景を考える)

もちろん、本来の投稿者である当時の大学生は現在もまともな仕事に就けずにいます。(参考：「バカッターと呼ばれ、人生終わった」21歳バイト店員の末路)

たとえ、いじめの仕返しとしてSNSに安易な気持ちで投稿する行為は、バイトテロと同じ末路をたどることになります。

• 病院側から損害賠償を請求される。
• 相手からプライバシー侵害で訴えられる。
• 看護師免許を停止または剥奪される。

SNS投稿の拡散力は、ネガティブな内容ほど投稿者が考えている以上に他人に拡散され、投稿者が投稿を削除したとしても拡散されたものはインターネット上に残り続けることになります。鍵垢の存在や暴露投稿は、今すぐはバレることはなくても大事になってからでは取返しのつかないことになります。効果があるかどうかはさておき、あなた自身へのリスクが極めて高い方法なので絶対にSNS投稿で仕返しをすることは避けましょう。